————————————————————————
『大公国の次男坊』→『女神の聖公女』
霞(カスミ)=メイーブル
————————————————————————
「メイーブル編」の主人公。
大陸の中央、実り豊かなメイーブル公国の次男で、政務を担う兄、「女神の公女」たる妹に比べ、気楽な生活をしてきた。

しかし、それが激変するのは、突然の妹の死から。
公国民の不安を抑えるために、隠されていたその事実。

だが、王国ロイセンからの賓客を迎え、生来細身の霞は、無理矢理「女装」代役として立つ。
「こんなこと、うまくいくはずないだろ!」――しかし、絶望しながら臨んだ宴で、居並ぶ賓客たちが目にしたものは……。

ほのかに抱える兄に対するコンプレックス、そして、許嫁のミナとの関係。

なし崩し的に「巡礼」に出ることになり、身体まで女性化し初めていること気づいた時、その心は、混乱よりむしろ……

————————————————————————
『モウルの一本鎗』→『癒しの巫女乙女』
リイト(リート)=バルナ―
————————————————————————
南の専制帝国、トルキヤの南に位置する貧しい漁村に育った、男気溢れる男子。

妹のメロナと質素に暮らす彼は、全てに裏表がなく、事なかれ主義が蔓延した村に騒動を巻き起こすこともしばしば。
しかも最近は、海賊の言うがままになっている大人たちに、堪忍袋の緒が切れんばかりになっている。

そこへ期せずして起こった、海賊たちの「村の女寄こせ」事件。
怒りつつも、これはかえってチャンスかも――無理女装でアジトに潜入することに決めたリイト。だが、そこで起こったことは、彼の予想をはるかに超えるものだった。

なぜか不思議にフィットする女子服。
ついには海賊たちから「リートちゃん」と慕われ、戸惑う間に、なぜか身体までが……。

そして、圧政にあえぐトルキヤ国内に轟き始める「癒しの巫女」の勇名。
あがめられ、愛される巫女乙女へ、やがて目覚める秘められた乙女心。

そして、「守るべき最愛の妹」メロナとの関係にも、変化の時が……。

————————————————————————
『気弱な見習い兵士』→『魅惑の魔女っ娘アイドル』
エリイク(エリイカ)=オータス
————————————————————————
繊細で争いを嫌うエリイクは、北の地、ロイセン王国に生まれ育った男子。
そして、彼の住む交易都市ティスラは、さまざまな人が行きかう、「文化の交差点」でもあった。

しかし、軍事強国ロイセンにおいて、男とは強く逞しくあらねばならないもの。
可愛いものに自然に惹かれてしまうエリイクは、「父のように強くならないと」――自分に言い聞かせながら過してきたのだった。

しかし、そんな日々は、ある出来事をきっかけに180度変わる。
軍事教練に明け暮れるある日、アイドルユニット「サクレティア」に参加せざるを得なくなった時に。
新人アイドル、「エリイカ」として――。

スポットライトと、ファンの熱狂と賞賛が照らし出す、心の内。
そして、魔法を使うほどに変わっていく身体は、ますますエリイクをエリイカへと生まれ変わらせていく。

いや、もしかして、それは「本当の自分」に戻ることなのかも……。